自転車事故のその後
12/17/2017, 9:00:57 AM
自転車事故のその後
ニューヨークで自転車事故にあって、鎖骨を折って、手術を受けてから2ヶ月。術後の経過は良好で、2度の通院でも特に問題なし。ただ、骨をつないでいる金属板の存在を日々感じるので、違和感が常に左肩にまとわりついている。
最終的に自分の保険のOut of pocket maxである$6,000に達したので、(この1年については)$6,000以上の自腹負担はない、らしい。この国のこと、まだ油断はできないが、ひとまずそういうこと。
これについては保険会社のカスタマーサポートに連絡を入れて、2度確かめた。というのも、外科手術の費用として病院に払う分だけで$5,300で、外科医師の施術費用$1,400と合わせただけでOut of pocket maxに達するのは明らかで、でもどういうわけか保険会社のWebサイトを見ても、いつまでたってもこの$5,300のClaimが確定しない。これが確定しないので、Out of pocket maxに達していないという状態のまま、やれX-Ray$25だ、やれ医師の診察$60だと細かい金額の請求書が積み上がっていって、いやいや、これらは払わなくていいはずだろ、俺はもう$5,300も病院に払っていて、$1,400の外科医師費用を払ったらオーバーしちゃうんだから。
保険会社からの最初の返答は、まだ処理中ってことだったので、いや通常2週間かかるって設定になっててすでに3週間を過ぎていること、この金額が確定すればOut of pocket maxを越えることが確実なのに、他の細かいのは最近の日にちのものも含めてどんどん確定して請求されているのに、一番大きい金額のものをいつまでも確定しないのはunfairであること、などを再度主張したら、その返答として突然の計算結果がやってきて、めでたく$6,000に収まるような金額に設定された。
それを受けてさらに1週間後、手術当日に先払いした$5,300のうちの$1,800くらいがrefundされたので、外科医の施術費用$1,400を支払った。手術からすでに2ヶ月以上経過していた。
そうなんです、日本の方は疑問に思ったかもしれませんが、こっちでは外科医と外科医が手術を行う病院の設備利用料は別建ての会計です。病院にまとめて払うわけじゃないんです。麻酔科もレントゲンも全部別。もっとも支払う作業自体はNYUのWebsサイトでできますが。
やっと一息ついたかなと思ったら、今度は救急隊から救急車の請求$700が2ヶ月以上経ってから来たんだけど、こちらは請求書に書かれていることに従って保険の番号などをWebで入力したら、数日後に$0に確定していました(すでにOut of pocket maxをオーバーしているから)。
事故って以来、加害者側とかかった金額について都度連絡をメールでしていて返信もちゃんと来ていたので、$6,000が確定したので、それに上乗せして$7,000でどうだ、という請求をした。実は一番最初、まだ金額が確定していないときに、Out of pocket maxを信じて$7,000の請求を一度したんだけど、そのときはまあ確定してからにしませんかと言われて、まあそうするかってことにしていたので。
まあ案の定というか、「ようやく奨学金を返し終えたばかりでやっといくばくかの貯金ができたばかりである」「実は春先に子供が生まれる予定」「そもそも事故を自分なりに検証したんだが、原因がどちらにあるかはambiguousだと思う」と。
正直だいぶ迷った。彼はその場から逃げてしまうこともできたはずで、そうされていたら多分見つけられなかったと思う。しかし彼は逃げず、警察官(交通整理担当でたまたまそこにいただけで、事故の処理のために呼ばれた人ではない)に対してきちんと自分の身分を明かして調書にも名前と住所が載っている(はず。見てない)。メールを送ったら心配している旨の返信もよこしたし、そもそも連絡先をきちんと置いていった。この正直者を、その正直さゆえにpunishすることが正しいのか、と。
ただ、やっぱりどう思い返しても、あのとき彼が逆走さえしなければ俺の肩に異物が入ることはなかったし、彼だって無駄にお金を使うこともなかった。逆走されて「半々」というのは納得がいかない。
ということで、「わかった。$5,000でどうだ。別にこちらの責任を少し認めるわけじゃない。この不愉快な会話を早く終わらせていつもの生活に戻りたいだけだ。逆走しておいて半々というのはどう考えてもunfairだ。」という返信をした。
するとこれも案の定、「$5,000で手を打とう。前のメールで書いた通り今手元にその金はないから、5回分割にさせてくれ。それと、この件でこの後法的措置をとってその結果がこちらの(注:加害者側の)不利に働いた場合、この$5,000は返金すると約束してほしい。」ま、そうですよね、ってことで今絶賛返金受け取り中。
$1,000も出費することになったし、今後、例えば肩に入っている金属板をとる手術を受けるなら、その費用は完全に自腹だし、自転車だって見た目は平気だけど乗ってみたらどっか壊れているかもしれないし(まだ再開できてない)、弁護士さんが聞いたらアホって言うだろうけど、もう精神的に、なんというか、めんどくさい。ああ、正直者が罰を受けていいのかとか、ああでもじゃあ被害者たる自分は救われないのか、とかいうことを考え続けて毎日を過ごしたくない。
そういうことで、この項は誰の参考にもならないと思いますが、一応記録として残しておくことにしました。おしまい。