ニューヨーク市で仮免を取ろうと思った
12/29/2019, 8:59:24 AM
ニューヨークで仮免を取ろうと思った
ニューヨーク市で暮らし始めて6年。日常生活で運転を必要とすることがないので、めんどくささから運転免許証を取るための行動をこれまでまったく起こさなかった。
めんどくさいなあと思っていた理由は二つあって、一つはDMVに関する悪評。DMVイコールめんどくさい役所という話をあらゆる場面で聞かされていたので、とにかく行きたくなかった。ニューヨーク市に住み始めて最初の4年を、DMVオフィスから2ブロックの場所で過ごしたにも関わらず。もう一つは、平日に休みを取ってまで行きたくなかったこと。DMVの悪評とも相まって、無駄な時間を過ごすことが確定している場所へわざわざ行きたくなかった。
ところで、ニューヨーク州はでかい。ニューヨークといえばマンハッタンやブルックリンのごく一部を思い浮かべてしまうが、ニューヨーク州にはナイアガラの滝もあるし、スキー場やハイキングスポットや紅葉の季節のドライブスポットなんかもたくさんある。もちろん海岸もあればワイナリーだってある。ニューヨークに住んでいて、週末にふらっとこれらの場所に行かないのはなんとももったいない。
だがしかし、これらの場所にふらっと「公共の交通機関で」行けるわけではない(行ける場所もある)。もちろんナイアガラの滝なんかはニューヨーク市内からだと飛行機に乗る距離だし、スキー場なんかは自家用車がないと厳しい。ハイキングなら電車で行き帰りできる場所もなくはないが、限られる。バスツアーもあるけど、行きたい場所すべてにバスツアーが催行されているわけではない。要するに、運転できるとのできないのとでは行動範囲が全然違うという当たり前のことを実感し始めている。
運転免許証があるともう1つ便利なことは、とにかくこの街であらゆる場面で求められる「ID」つまり身分証明書になること。生年月日、顔写真、そしてニューヨークに住所を持っていることを証明してくれるので、美術館にいけば言い値で入れるし、バーで酒を飲めるし、FedExで書類を発送できるのである。パスポートで代替できることも多いけども、財布には入らない。したがって持っていくのを忘れる。会社のパーティでバーに行き、IDを持っていくのを忘れて、同僚にビールを買ってきてもらうことも一度や二度ではない。
さて、2019年も終わりに近づき、会社は仕事を納めて1月2日まで暇である。例年は帰省していたのだが、今年はビザなどの関係で日本へはいけないので、そのままニューヨーク市にとどまっている。暇である。しかしここはアメリカ合衆国。クリスマス休暇が終わってから年末年始はそこまでお休みじゃない。DMVもお役所なので、12月30日でも開いているのである。平日である。自分は休みである。暇である。DMVで無駄な時間を過ごすチャンスである。
一念発起して運転免許証を取りにDMVへいくことにした。
ニューヨークで仮免を取ったに続く。