引っ越し業者を探して荷物を梱包した
8/31/2022, 11:07:33 PM
退去通知
引っ越し先を決めたので、現住アパートの管理会社へ退去を通告する。Williamsburgの中でもEast River沿いの一等地、南向きで明るく中庭に面していて静かなこのStudioアパートともお別れである。なんつってそこまで未練はない。隣の音楽は筒抜けだし重低音は響くし犬はうるさいし。
2018年2月に$2,400(という破格値)で入居し、更新のたびに$100ずつ上げられて今$2,700。周囲の相場を見るにつけ、次は$3,000超えてくるんだろうな、そして追い出した上でもっと高く新規入居者を募るんだろうな、と予想していた(それもあって引っ越しを検討していた)。6月中頃にいつも通り次の家賃の通知が来て、なんと$2,975だという。へえ、商売っ気ないんだなあ。いつまでに更新するかしないか返事すべきか聞いたところ、独立記念日直後までにはということだった。その後引っ越し先を決めて更新しないことを通知したんだが、なんとなく想像で、このアパート、新規に募るときはもっと値段をあげるんだろうなと思ってウォッチしていたら、そのまま$2,975で募集されていてびっくりした。だって同じ間取りの同じ場所の下の階とかが$3,500で出しているのに。
再契約せずに退去することを通知したら、次の週から募集をかけること、そしたら不動産屋が候補者に内見をさせるから「事前通知をした上で」見にくることになるからよろしく、と返事が来る。その不動産屋のエージェントが自分が入居したときと同じ人で、しかもあまり良い印象を持っていなかったのでまたちょっとどんよりする。そしたら案の定その不動産屋からすぐにメールが来て「来週水曜日にオープンハウスをする。OKね?」いや、NGです。
家で仕事をしているし土足であがられても困るし、自分の前回までの経験でも、住んでいる人がいる部屋にピンポンして入れてもらって見せてもらうということを行なっていたので、それでいいでしょ?と返事したところ「このマーケットでこの値段で出すので、日に何組も来ることになるから、アポとかだるいことやってられない。オープンハウス常識でしょ」いえ、常識とか知りません。
「じゃあその間俺らも部屋にいるよ」「はぁ?そんなWeirdなオープンハウス聞いたことない。1時間だけなんだから出てて」「あのさあ、部屋の中のものとかどうなるわけ?なんか保証されるわけ?」「今まで何も起きたことがないから大丈夫」「土足」「靴は普通脱ぐでしょ、他人の家に入るのに」えっ?普通脱がないじゃん!
こういう不愉快なやりとりをさんざんして、しかし埒が開かないので渋々承諾。「マジ土足厳禁」「だからそんな人いないっつの」ほんとかよおい
この一連の話とは別に、管理会社の担当者と退去時の手続きについてもなんとなくふわっと合意する。こちらは1ヶ月分のSecurity Depositを質に取られている身なので、出るときのInspectionとかしつこく問いただしたのだが、結果はなんかふんわりと「1ヶ月後の電気代を精算したら残りを返します」ほんとだろうなおい
引っ越し方法を決める
次に決めなければならないのが引っ越し方法。とにかくアメリカ横断なので、荷物を運ぶったってすごい距離を移動することになる。当然お金がかかる。ざっと検索してオンラインで見積もれるサイトを使ってみたりしたところ、$3,500 - $5,000あたりが相場らしい。高い。しかしアメリカの若者たちがやるようにU-haulのバンを借りて自分で運転するような体力も時間もない。ということは選択肢は2つ。
まず、捨てたくない(捨ててまた買うと高くつく)ものを自分たちで箱詰めしてUPSなりFedExなりで送り、持てるものは飛行機で一緒に持っていき、それ以外の持てないものはすべて処分するという案。UPSなりで10箱程度送ると$1,000は超えそうだが、それでも安くつく。ただし大物は持っていけないし、服や靴などだけで10箱くらいにはなってしまいそうで、どんなに吟味しても結局$3,000くらいにはなってしまいそう。
あとは普通に引っ越し業者に頼む方法。とはいえ普段見かける引っ越し屋さんは大陸を横断してくれないので、大陸横断をやっているところを探さないといけない。なんとなく「long distance moving」とかで検索してみると、Allied Van Linesとかいくつか見つかるのと、ヤマトや日本通運もやってそうに見える。ニューヨークで日本人が開業したっぽいのもあった。
早速これらの会社のWebフォームに引っ越し内容を入力して見積もりを取ってみる。予想通り、アメリカの会社からはメールの返信ではなく電話がガンガンかかってきた。Allied Van Linesから来た電話を取ってみたら、Webで入力した内容を15分ほどかけて全部確認し、「それでは見積もりをするので少々お待ちください」数分後「残念ですがStudioサイズの引っ越しは当社では受けていません」はぁぁぁぁぁぁぁ?最初に言えよ。それWebフォームに入力してあるだろ
他のアメリカの会社からの電話に出ないでいると、ヤマトと日通からそれぞれオンラインでの内見の日にち設定の連絡が来る。ヤマトは明後日、日通は来週、みたいな感じだった。この時点では、どうせ高いだろうからできればこの2社には頼みたくないというのが正直なところだった。
ヤマトの内見はFaceTimeで部屋の様子を見せて回る感じだった。所詮Studioなのですぐ終わると思っていたんだが、コートが何枚だとか本が何冊だとか、クロゼットの奥の方の箱の中に何が入っているかとか、結構細かく聞かれる。全部見せたあとで、なんとなく妙な空気が流れて、「少々お待ちください」そして見積もり担当者の上司なる人物が登場して、面談みたいなことが始まる。「聞いたことがなかったんだけど何をやっている会社なんですか?」「ああアメリカの会社の現地採用なんですね」みたいな話。まあすぐピンと来たんだが、多分量が小さすぎてやりたくないんだろうなと。やりたくないんだけど、もしこの会社が今後も引っ越しを何度もするようなところなら繋がる意味があるかな、と思ったんだろう。Allied Van Linesも最初に言えよと思ってムカついたが、それでも「Studioはやらない」と率直に言ったのでまだマシ。そういうことならそういうことを言ってくれれば「ああ、そういう、今回のがよかったから次回も...みたいなのは可能性ゼロですね」って言えるのにさ。
ヤマトはその後見積もりが来るには来たんだが、1週間以上経ったあげくに、あんだけ細かく内容を聞いたくせに「全部で$5,980」というクッソざっくりしたものが届いた。やりたくないならやりたくないって言えよな。
もう1社、日本人がアメリカで立ち上げたっぽいところにも見積もり依頼を送ったんだが、そこからは「毎日毎日作業で休む暇もありません。今日も引っ越しでした。見積もりはもう少しお待ちください」という内容のポエム調の返事が来た。来たものの、それから2週間経っても何も起こらなかったので催促のメールを入れてみたところ、夜中に返信が来ていて「8月中はいっぱいいっぱいで9月になれば少し余裕が出るのですが私どもも小さな会社で精一杯...」というなんとも病んだ感じの返信が来たので、これは信頼できないということで、無事をお祈りするメールを入れた。
日本通運に決定
ヤマトから1週間後に日通の見積もりを受けた。やはりFaceTimeで見せて回るスタイル。ただヤマトのときとは違い、大雑把というか大体の量を把握する程度のものだった。大雑把というと聞こえが悪いが、この段階で細かくコートが何枚とか数えても実際の見積もりに影響を与えるとは思えないので、日通のやり方の方が普通というか当たり前の感じがした。だって結局は箱がいくつ、重さがどれくらい、全体の容積と重さは、ってやって値段を決めるんだから、コートが3枚なのか10枚なのかなんて数えても意味がないはず。ヤマトがやってきたことは本当によくわからん。
日通は見積もりの翌日に、何を入れる箱がいくつで全部で何箱なのでこれ、という結構詳細な見積もりが来た。ヤマトより$1,000以上安い。まあ絶対額を考えたら高いけど、安くできる選択肢があまり考えられないのと、2、3追加質問を入れたときのスムーズかつ的確な返信をみて、日通さんにお願いしようということにした。
$3,000以上の前金を銀行小切手で送り、申し込みをする。すぐに梱包資材の配達日程が設定され、1週間後に段ボール、ガムテ、梱包用のプチプチの巻物などが配達された。日本人女性とヒスパニック系の配達マンの2人組。こういう仕事をしている日本人もこちらで生きているんだなあ。日本人がリードしているチームなので、部屋に荷物を入れるときなんかもデフォルトで靴を脱いでくれるし、やりとりも全部日本語なので、ふわっとしたことを聞きたいときにめんどくさくない。
荷造り
まだ3週間あるのに梱包資材が届いてしまったものの、荷造り作業は1週間前くらいからようやく始めた。あまり多くないので2回の週末でほとんど片付けた。
荷造りでやっておいてよかったことは、それなりに細かいmanifestを作って持っておくこと。箱に番号を振って「食器」とかざっくり書くんだが、その番号に具体的に何が入っているかをメモっておく。後で箱を開けるときに役立った。
もう一つやっておいて良かった、というかもう少しやっておくべきだったのが、引っ越し先でどうしても必要になるであろう小さいあれこれをUPSで送っておくこと。タオルとシーツとちょっとした服を一箱に詰めて確か$50くらいで送ったのだが、もう一箱くらい送っておくべきだった。この箱は引っ越し先に着いてから三日後に届いたので役立ったし、もっと送っておくべきものがあった。
やっておくべきだったのにやらなくて、出荷当日に少し手間取ったのが、日通の書式に合わせたmanifestを書くこと。書式には謎の記号を書く欄、内容物の種類に丸をつける欄(食器、雑貨、洋服、など)、それにその個数を書く欄があった。この個数の欄だが、例えばトースターを入れて、トースターの中にスプーンやフォークや箸などを入れる、みたいなことをすると思うんだが、内容物欄の家電と食器に丸をつけた上に「トースターが1つで箸とスプーンとフォークが全部で20本だから21」とか書くのが意味不明だったので、個数欄は空白にしておいた。しかし出荷当日に、その意味不明なことをやらなければならない、しかも詳細にやらなければならなかったことが判明して、適当な数字で埋める羽目になった。本が何冊はまだしも、書類のファイル数が何冊とか、箱を閉めてしまってわからないので困った。結果的に箱がロストするようなことはなかったので何も問題にはならなかったが、そういう事故が起きたときに真面目に書いてあるのとないのとでは揉め方が違うのだろう。
AptDecoすげえ
家具はほとんど持っていかないことにした。家具といってもあるのはカウチ、カラーボックス的な棚、クイーンサイズのベッドフレームとマットレス、48インチテレビ、ダイニングテーブルとチェア2脚、それと今年に入って買ったばかりの電動昇降デスク。どれも輸送を頼むとそれだけで数百ドル上乗せされるのに、買うと送料を入れてもそこまでの値段はしないものばかり。カウチとダイニングセットは使えるけどもう古いので処分。カラーボックス的な棚も、そもそも不要になるかもしれないので処分。ベッドフレームはAmazon.comで数十ドルだし2ヶ月後に届いても意味がないので、マットレス共々処分。Flexispotの電動昇降デスクは最後まで悩んだんだが、これもやはり新しく買う方が安くつくので処分することにした。テレビは2016年のBraviaで古いし画面にも傷があって悩んだんだが、日通さんにテレビを持って行ったらどれくらいかかるか聞いてみたらサイズと重さ的にプラス$100と即答されたので、これは持っていくことにした。
処分するといってもゴミ箱に捨てることもできないので、まずは売ることを考えた。家具を売るサービスを検索すると出てきたのがAptDeco。mercariみたいな要領で家具を出品して、売れたら集荷から配送までをやってくれる。もちろんその分の経費を取られる(SellerとBuyerのどちらが払うか、または折半かの3つのオプションから選べる)ので、売り上げなんかは微々たるものなのだが、捨てるつもりのものなので簡単に処分できるならそれで良い。これからの4週間でなくなってしまっても困らないもの、カウチとベッドフレームとFlexispotを出品してみた。最低額が$100なので、$100に設定し、こちらの取り分は$15とかそんな感じ。
一番古くて色も褪せていて売れっこないと思っていたカウチが一番最初に売れたのには驚いた。出品して3日目に、$75にしてくれないかとメッセージが来てAptDecoの仕組みのせいでそれはできないので、自分で引き取りに来てくれるなら無料で渡すよと返信した相手がいて、結果的に交渉は成立しなかったんだが、その人曰く表面の布は捨てて中の羽毛の部分を再利用して新しいソファを作るらしい。この人との交渉が頓挫して、やっぱりそりゃ売れないよなと思っていたらその翌週に突然売れた。
NYCのアパートでは家具の搬出入や引越しのときは、エレベーターを予約すること、そしてその作業者が保険に入っていることを示す書類(CoI)の提出をアパート側が求めてくる。一度引っ越しをしたのでこの件を知っていたため、アパートのWebサイトに行ってみると案の定、エレベーターの予約をするとCoIがないと本予約にはならない旨の通知が出た。AptDecoはNYでビジネスをしているので当然これをわかっていて、売れたときに届くメールに書いてある連絡先にCoIが欲しいとメールを送ると、専用のWebフォームへのリンクが届き、そこに必要事項を入力すれば折り返し数日でCoIが届くようになっていた。
出荷当日、AptDecoの委託先だと思われる3人組がやってきて、あっという間にソファを梱包して持っていった。このときこのアパートで家具を搬出する動線が判明して、その途中に大きな家具を捨ててある場所があることもわかった。あとでこの場所は必ずしもそういう場所ではないかもしれないことがわかったんだが、まあ良い。
出荷してから3日後くらいにAptDecoから入金があった。出荷してくれた連中に$20のチップを渡したせいで$5の赤字。$5で処分できたと思えばよし。
FlexiSpotのデスクもカウチの3日後には売れてしまった。こちらは見た目もほぼ新品同様なのだが、そもそも$200という価格設定にしたおいたので新品を$220くらいで買える以上売れるわけがないと思っていたんだが、売れてしまった。もう少し引っ越し日が近づいたら$100に値下げして売り切ろうと思っていたのに。$200でも配送料を全部こちらもちにしたので、売り上げは$30。これはもったいなかったんだけど、運んだら$200では済まないので仕方ない。
エレベーターの予約やCoIなどの一連の手続きを経て、数日後に引き取り、その数日後に入金。AptDecoすげえ。値段を安くしたというのはもちろんあるが、こんなにあっという間に売れるとは思わなかった。2週間以上、晩御飯後にソファでくつろいでテレビを見ることができなくてちょっと辛かった。
OfferupはXX
ダイニングテーブルとチェア、それにベッドフレームはAptDecoでは売れなかったので、Offerupというサービスに掲載した。これは少し綺麗めに作った Craigslistで、Offerupは出荷とか配送とか支払いとかは一切やってくれない。まあ無料で持って行ってくれればいいのだが、無料と書いて変なのに来られても困るので、最初は$50とかで出してみようとした。
出してみようとして何度か写真をあげて説明を書いてSubmitして見るのだが、常に「Guideline Violaion」とやらでRejectされる。なんでかわからなくてサポートに問い合わせてみたら、数日後にメールで「mistakeがあったのでこちらで登録しました」という返事が来て実際に商品がアップされていた。その後もテレビをあげてみたり、フロアランプをあげてみたりしたんだが、どれも毎回Rejectされ、サポートに問い合わせると「mistakeなのでこちらで登録しました」となる。なんだこれ
Offerupでベッドフレームが欲しいが車に入るかどうかわからないという人がメッセージを送ってきたので、正確な大きさを測って返信したら「やっぱり配送までしてくれるのを見つけたのでごめんなさい」された。さらに引っ越しの1週間前にこのベッドフレームが欲しいという人が現れて、土曜日の午後に取りに来られるか聞いたら「Perfect」。やったぜ処分できた!と思って土曜日。解体して運びやすい状態にして待っているとメッセージが来て「ちょっと早く行けそうだけど大丈夫?」イエス大丈夫です。「どういう方法で支払えばいい?」現金がいいけどどうしてもっていうならVenmoかCashappでもいいよ。
そしてそれっきり。これは一体なんだったんだろう。ただのいたずらで休日を無駄に過ごさせてやったぜって話なのか、なんか住んでるところを特定してなんかしようとしていたのか、まったくわからないが、その後音沙汰がなかった。夕方には見切りをつけてベッドフレームを組み立て直した。
結局ベッドフレームも含め、他のものは売れなかったので、アパートの置いておけそうな場所において捨てていくことになった。
それとOfferupには後日談があって、引っ越して3週間経ったころ突然「あなたのアカウントでCommunity Guideline違反が見つかったので、アカウントを削除しました」というメールが来た。訳分からんし、Androidアプリが何でもかんでもUIスレッドでやってるような動作をしてたし、開いているだけでスクロールも何もしていないのに電話がどんどん熱くなっていく中で無限ループでもしているのかと思うようなXXアプリだったので、2度と使うつもりもなかったちょうど良かったですさよならOfferup。何がCommunity Guideline違反だよ一昨日来やがれっての
梱包も終わり、処分すべきものも処分した、または目処が立った。あとは引っ越し当日を迎えるだけだ。
引っ越し当日へ続く