ニューヨーク市内で引っ越しの準備その3
3/17/2018, 8:40:41 AM
ニューヨーク市内で引っ越しの準備その3
ニューヨーク市内で引っ越しの準備その2からの続き。
家具付きアパートから引っ越す
これまで5年間住んできたアパートは、会社経由で紹介してもらった住友不動産の柏原さんが、こちらから連絡した条件を元に探してくれていたアパートたちを2、3日かけて内覧しまくって決めた。当時連絡した条件は、$2,000/mo、ちゃんとしたキッチン、できれば自転車置き場、くらいだったと思う。
マンハッタンで$2,000/moで探すのは実際かなり厳しく、まあそれでも10部屋くらいは見たんだが、ここを見て$2,500/moだったけど決めたのは、家具付きだったことが大きな理由 [1]。クイーンサイズのベッド、一人がけカウチ、テーブルと椅子、間仕切りにも使える棚と、おまけに炊飯器からお皿からとにかく生活に必要なものがすべてそこにあった。僕はNYにはスーツケースとダッフルバッグ1つずつに服とバリカンと髭剃りだけ詰め込んで来たので、最初に家具や日用品への出費を迫られなくて本当に助かった。
[1] あとで気づいたんだけど、あのロケーションとビルの設備とを考えると、$2,500/moはかなりお得だったと言わざるを得ない。
そういうわけで、この5年の間自分で買って引っ越し先にも持っていきたい大物といえば、テレビとソファとダイニングテーブルくらいしかない。とはいえ自分たちで運べる量ではないので、引っ越し屋さんを探す必要があった。
Man With A Van
日本でもそうだけど、引っ越し屋のトラックは目立つので日常生活をしているだけでなんとなくそういう会社があることくらいはわかる。よく目にしていたのはOz MovingとかFlatRate Movingとか。先述の理由で普通の引っ越しより規模が小さいと思われるので、日本でいう赤帽みたいなサービスないのかなあと思ってsmall local movingとかって検索して、見つけたのがこのMan With A Vanというサービス。引っ越し以外にたとえばIKEAに一緒に行って、買った荷物をバンで運んでくれたりとかもするらしい。
さっそく見積もりを依頼してみると、ものすごい速攻で返事がきた。相場がわからないので安いのか高いのかよくわからないが、人間2人の時給とバンの値段という計算自体はリーズナブルに思えた。ただ相場がわからないと交渉もしづらいということで、Oz MovingとFlatRate Movingにも見積もりを依頼した。
ありがちな話だが、両者とも返事の代わりに電話をよこしてきて詳しい話をさせてくれと。んで、電話してみるとこっちが見積もり依頼にすでに書いたことと同じ質問をしてきて、ふむふむなるほどーとか言って、それで最初の値段を掲示してくる。そのとき「今上司に確認してこれこれの分をWaiveしてもらったよ!」とかいうのを忘れない。
両者とも出てきた金額はMan With A Vanにくらべて2割増しくらいだったかなと思う。まあ赤帽とヤマトやアートとを比較するのに意味がないのと同じことなので金額の多寡を比較しても仕方ない。ただこのときすでにMan With A Vanにすることに決めていた理由は、何か質問すると2時間程度でメールで返事が来ること。いちいち電話とかしてこないし、一度聞いたことをまた聞いてきたりしない。うざくないのだ。んでもって安いし自分たちの用途にあてはまっているし、小さいローカル会社ががんばってる風なのでそういうのを応援するという意味もまあまああるし、ってことで決めた。
その後Quoteをもらった他数社には「もう他社に決めたからすまん」というメールを送り、それに対して電話がかかってきてますますうざくて嫌いになるというお定まりの流れもあった。
パッキング
さて引っ越しを2週間後に決行することに決まった。その後のやりとりで、事前にダンボールを送ってもらうのはやめて、当日に再利用可能な梱包箱を持ってきてもらい、その場で梱包して出すことにした。事前に送ってもらうとその分金がかかるから。
引っ越し作業の方々は時間計算でお金を取るので、その場での梱包は高くつくかもよって言われたんだけど、いやいやこっちは荷物なんてほとんどないんだから大丈夫任せとけと言った手前、準備は万全にしなくては。そこで必要になるのがダンボール箱。買うこともできるが、ここは日本でやったのと同様に、ほうぼうから集めてくることにした。日本だとスーパーとかでダンボールをもらえることが多いから、Wholefoodsとかにないかなーと。細かいものをなるべく箱にまとめておいて、当日は作業する方々が大物を移動させる間に、当日持ってくるはずの大きな箱に小さい箱をバンバンいれていって、30分程度でパッキング完了、という作戦を立案していた。
Wholefoodsでは使えそうなダンボールは見つけられなかったんだけど、会社に毎日なにかしら届くAmazonその他の箱を回収することには成功した。Office Managerの協力を得て、あとその週たまたまゴミ捨て当番だったこともあり、普段ならリサイクルの日に出すものとしてキープしてある箱を毎日せっせと家に持って帰ることを続けて、昼間に妻が細々したものをそれらの箱にまとめる。あと本とかDVDとかの当座は必要なくて細かいけどそれなりに大事に扱いたいものは、リュックに詰めて会社に持って行って一時的に会社に置いておくという荒技も使った。
ということで、2週間後には大小様々な箱と、空になった棚とクロゼットができあがった。洋服など入りきらないものもあったが、当日持ってくるはずの梱包キットに入れられるはず。布団やなんかも旅行用真空袋に詰め込むことにして、準備万端。
引っ越し手続き
東京23区内での引っ越しでは聞いたことがなかったが、こちらでは引っ越しや大型家具の搬入などでエレベーターを使うときには、エレベーターを事前に予約することと、搬入出業者の損害保険加入証明書(Certificate of Insurance, COI)をビルの管理会社に提出すること、セキュリティデポジットや諸経費が必要な場合がほとんど。これは引っ越し作業中に建物を傷つけたり作業員が怪我したりした場合に、お互いがお互いを訴えたりしないように、だと思う。今住んでいるところも次に住むところもそれらが必要で、まずは引っ越し業者にCOIを提出してもらう必要がある。
Man With A Vanはこれもやっぱり速攻で、2時間程度で2つのビル宛のCOIをメールで送ってくれた。あとはそれぞれの管理会社のフォームに必要事項を記入して、引っ越しの日と時間帯を書いてエレベーターの予約をリクエストする。今いるビルの方はPDFに書いたものをスキャンしてメールで送るのだが、引っ越し先のビルはWebサイトでエレベーターの仮予約をして、申込書とCOIをメールで送って、それが承認されればエレベーターも予約完了という流れだった。
引っ越し先のビルはあっさり申し込みできたんだが、今いる方のビルから手続きの返事がちっとも来ない。4日待ってしびれを切らして、催促のメールを入れたらその返事でようやくエレベーターの予約が完了した。引っ越し予定日の4日前。
ビルの側からは「エレベーターの予約が確定するまで引っ越し業者と日時を確定しないように」と言われるが、引っ越し業者は人員の配置などから当然のように「日時はいつですか」から契約作業をスタートするわけで、完全に鶏と卵。引っ越し業者を決めなければCOIはもらえないが、COIがなければ申し込みができず、エレベーターの予約もできない。もちろん多くの場合で引っ越し業者側が日時の変更に応じてくれるのだろうが、この2フェーズコミット問題は本当になんとかならないものだろうか。
あ、そうそうそれとNYCのビルの多くは週末の引っ越しを許可しないのでご注意を。僕の引っ越しは金曜日の朝一に設定しました。会社には休みをもらって。