ニューヨークで運転免許取得のための路上試験を受けて落ちた
8/27/2021, 11:00:52 AM
路上試験当日
Fuji Driving Schoolさんで運転の練習プラス路上試験当日の車両貸し出しと付き添いのパッケージをお願いしていると、路上試験当日も60分前後の直前最終練習をさせてもらえる。そのため、DMVで予約済みの試験開始時間の90分前に待ち合わせ時間が設定されている。
他の大手っぽい教習所兼当日付き添いをしてくれる会社のレビューなどを眺めると、試験当日に数人で1台に便乗していくらしく、「試験時間の3時間前に行かなければならなかった」「自分の試験時間になるまで待たされてイラッとした」などの体験談が出てくる。少なくとも自分の場合は、講習をしていただいた教官がそのまま、同じ車で試験当日も来てくれて、自分一人なので直前練習もさせてもらえたし、他の大手っぽいところと比べてバカ高いお値段でもないので、あれらの体験談が今も事実ならFuji Driving Schoolのシステムの方がはるかに良い。ただ、試験会場に行って周りの様子を見た限り、1台に何人も便乗してきてどんどん乗り換えるみたいなことをしている人はいなかった。これは場所の問題かもしれないし日にちのせいかもしれないし、一般化はできない。
閑話休題。前回と前々回の失敗を踏まえて、Citi Bikeを降りてから気分が静まるまでの時間を取るために、30分前に着くように家を出る。さすがに昨日の今日なので道を間違えることはなく、スムーズに到着。汗を拭いて気持ちを落ち着かせる。
直前練習でも特に問題はなく、縦列駐車もスムーズにできて、では、ということで試験場へ。試験場へは教官に運転していってもらうため、ここで助手席に移動する。
食事とかトイレとか
ところで、練習のときも試験のときもそうだが、その時間中は食事もできないしトイレにも行けない。練習のときは食事したければしてもいいんだろうけども、その時間も当然90分の中にカウントされるだろうから、無駄になる。トイレは緊急ならまあどこかのカフェでコーヒーでも買ってトイレを使わせてもらうことができないわけじゃないだろうが、基本そういうことは考慮されていないので、不安がある方は何がしかの対策を打っておいた方がよい。自分はというと、練習も試験も大体午後イチくらいの時間だったので、家を出る前にナッツを水飴とチョコレートで固めたようなバーを2本食べて食事を済ませたことにしておいた。
試験本番
自分の順番が回ってきた。試験官にLearner Permitと5時間講習の修了証を渡すと、次に言われたのが「Wipe them please」何を?は?え?となったら、はぁーって感じで「お前は運転席へ乗れ。おい、付き添いのあんた、拭け」。COVID-19のプロトコルらしく、試験官が座る助手席やシートベルトなどをアルコール除菌しろということだったらしい。そういう風に説明してくれよ、って感じだが、あっちに言わせりゃ日に何度も同じことを言いたくないんだろう。こっちは初めてなんだから、という相手の立場でものを考えることはしてくれない。付き添いの教官にとっても初めてのことだったらしく、困惑していた。
助手席に乗り込んできた試験官はまず「窓を全部全開にしてくれ」。次に氏名と生年月日を確認し、手元のタブレットに映る私の顔写真を見せて「これがお前で間違いないな?」。なんというか、何かなりすましとかの問題でもあったのか、見りゃわかるのになんでそんな聞き方でそんなことを聞く必要が?って感じ。
「この試験では右折、左折、縦列駐車、3点ターンをしてもらいます。準備ができたらスタート」
車通りが切れたのでスタート。即右折。Stopサインで右折。その後また右折。この間ずっと、なんか車の調子が悪いなと思っていた。試験官は仕切りに独り言みたいな音量で「Control the vehicle... Go slow, slow...」と言い続けていたが、Slowと言われても先行車も対向車もいない道路で18-19マイルをうろうろしていて、15まで落とすのか?と思いながらStopで止まった後スタートしようとして、ん?ん?スピードの上がり方がやっぱりなんか今までと違う。
右折してさらに右折後、3点ターンを先にやり、次に縦列駐車。特に問題はなかったと思う。次は確か左折で出て、すぐにまた左折しろと言われ、しかし信号があるわけでもない上に道路は舗装工事中でセンターラインもない状態で、どこが左折できる交差点なのかわからない。すると「Slow down! You missed the turn!」いや、今左折したばかりで10マイルくらいしか出ていなかったのですが...。次に左折できる道を探して15マイル程度で進み、左折できる道を見つけたのでウィンカーを出し、対向車が来ているので交差点に入ったあたりで、車を曲げないように気をつけながら止まり...
ここで助手席にあるブレーキを思いっきり踏まれた。「Why were you going? Oncoming traffic "##"&#"($?」え?いやだから止まる直前だったでしょ今。もう2とか3マイルにまで下がってたでしょ。え?今何が起きたの?
頭が真っ白で反論することもできず、対向車が過ぎてからそのまま曲がってスタート地点まで戻る...途中の道でpull overさせられ、試験終了。試験官はそそくさと出て行った。
落ちたということはわかって、釈然としないまま付き添いの教官が戻ってくるまでの間ぼーっとしていてはたと気づいた。あの試験官はどういうわけか、スタート直後からずっと助手席のブレーキを踏んでいたんだと思う。しかも間違えてその上に足を置いていたとかいうことではなく(それなら進み方が全然違うからわかるはず)、自分が運転しているような感じで少し踏んだり離したりを繰り返していたように思う。あの車の違和感はそれだ。教官にその話をしてみたら、「あーその感じは多分そうですね」と。
もちろんこれは自分の側の一方的感想なので、試験官氏にとっては何かダメなポイントが、それも最初の方に、たぶんあったのだろう。あったのだと思いたい。ただ、いくら振り返ってみても、あそこでああすべきだった、ここでこうすべきだったという大きな反省点が見つからない。Vehicle controlが、って言われても知らん間にブレーキを踏まれたり離されたりしたのではどうにもならないし、もちろん一度たりとも20マイルすら超えていない。オートマ車の、Dレンジでブレーキを離せば進むアレがまったくなくなったので、Stop後のスタートで妙に踏まなければならなくて違和感を感じていたくらい。
結果発表
どういう理由か定かではないが、一説によると試験官の身の安全を守るため、路上試験の合否はその場では教えてくれなくなった。代わりに名刺大のカードを渡され、そこに書いてあるURLに午後6時以降にアクセスして、DMV IDと生年月日でログインして結果を見るという仕組みになっている。
しょぼーんとしながら家に戻り、午後6時を過ぎて一応結果を確認すると不合格。詳細へ進み、どこで減点されたのかを見てみてびっくり。全部。考えうる全部に減点マークが入っていて、練習不足、と。このシステムがどういうものかわからないが、いくらなんでも右折時のwideとspeedはない。それは絶対ない。むしろ優先道路から右折で非優先の方へ侵入するときに速度が下がり過ぎて一時停止したと思われたかどうかで悩んでいたくらいだし。
正直、この日に起きたことについて、2ヶ月経ってこれを書いている今でも消化できていない。アジア人だと何故か落とす試験官の話とか、検索するとチラホラ出てくるが、そんなわけないだろあっちにとっても失いたくない仕事だろうし、と思っていたけど。そういう話にはしたくないし、自分の側に何らかの不手際があったのは確かなんだろうが、どんなに思い返してみても、最初の方から何かやらかしたってことはなかった。フェアな扱いを受けたとはどうしても思えなかった。
再挑戦
一晩寝てもやっぱり消化できなくて、それこそ試験の夢を見て、朝早く目が覚めて、またお金を払ってこの嫌な思いをしに行くのか、もうやめようかとも思った。が、ここまでの座学講習$60と教習パッケージ$559がサンクコストとなって思考に影響する。ミスって落ちた、あるいは落ちたにしてもどこを減点されたのかがわかったならともかく、大したミスも思い当たらず、試験官からのフィードバックは「全部ダメ」ということでは、もう一回受けたって同じ目にあうんじゃないかという気がして、あの場にもう一度行くのが嫌で仕方ない。だがしかし$620のサンクコストである。いや、日本へ帰ったら国際免許取ればいいじゃん誰も問題にしてないみたいだし。いやしかし$620払ったんだし。いいや、来年はNew Jerseyに引っ越そう。NJなら路上試験なしで日本の免許から切り替えできるらしい。Livin' on a prayer。
うじうじと考えた結果、もう一回だけやってみることにして、再度Fuji Driving Schoolさんで試験予約、1回練習、当日付き添いをお願いした。$470。本当にもうこれでやめる。
調整いただいた結果、次の試験は10月21日になった。同じAstoria Heightsで。
ニューヨークで運転免許を取得したへ続く。